往時
八十八夜ごろ、新芽が摘み取られ製造された
葉茶(碾茶)は五月中旬ごろ茶壷に詰められ、
桐製の蓋をはめ封紙で密封され、
夏の間涼しい場所を選んで大切に保管されていました。
この茶壷の封を切って茶葉を取り出し、
石臼で挽かれるのは旧暦の十月、
御茶室のしつらえが風炉から炉に移される時期であります。
その年の新茶を初めて喫される、
茶家の正月とも称される大切なお茶事であります。
上林春松家では、この日のために大切に保管していた茶葉を、
毎年古式にならい十一月初旬に挽き上げ、
特別のお客様にお頒けいたしております。
お濃茶「千代の寿」40g缶
お薄茶「若森の白」40g缶