謹んで新年のお喜びを申し上げます。
昨年中は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、今年は寅年ですが、日本には古くから虎に因んだ物語あります。
例えば、加藤清正が虎退治したという話や、「虎穴に入らずんば虎児を得ず」と言うことわざ、一休さんのとんち話にも屏風に描かれた虎が登場します。
また、昔のお寺やお城のふすま絵等にも勇壮な虎の姿が描かれているのが多く見られます。
これほど虎に因んだものが存在するという事は、かつては日本にも野生の虎が生息していた・・・、というと少し事実とは違う様ですね。
そもそも虎はインド、中国、シベリア、朝鮮半島などアジアでは大陸のみに生息する動物で、日本に野生の虎が存在していた事はないと言われています。
では、なぜ虎にまつわる話が多いのでしょう??
それは大陸から伝わる様々な文化、宗教や漢字などと一緒に渡ってきた虎の物語がとても印象的だったからの様です。
アフリカで百獣の王といえばライオンですが、アジアで動物界の頂点に君臨するのは虎と信じられていて、その堂々たる振る舞いと美しさ、そんな大陸から伝わった虎のイメージが絵画や物語に表現されたといわれています。
その昔、虎は夢物語だったんですね。
ちなみに、日本で竹林に中に描かれている虎が多いのですが、あれも不確かな情報から広まった様で、考えてみれば、肉食の虎が竹林を好んで生息する訳ありません、パンダじゃあるまいし・・・
日本に伝わる虎たちは、だれも見た事のない、不思議な想像上のヒーローだった様ですね。
2010年寅年、どうぞ今年もよろしくお願い申し上げます。